地域資源を活用!バイオマス発電が描く持続可能な未来社会とは?
- 2026.02.24
- バイオマス発電
生物由来の資源である、「バイオマス」を利用した発電方式がバイオマス発電です。
バイオマス発電は、森林の間伐材をはじめ食品廃棄物や家畜の廃棄物などを発電資源としており、その過程においてカーボンニュートラルを実現すると考えられています。
さらに近年、バイオマス発電はその特徴から地域資源の循環利用による持続可能な社会構築につながる発電方式としても注目されているようです。
本記事では、地域資源を利用したバイオマス発電が描く持続可能な未来社会について考えていきます。
バイオマス発電とは何か?
バイオマス発電が、地域資源の循環利用が持続可能な社会構築につながると考えられている理由として、その発電方式にあります。
バイオマス発電とは、森林の間伐材など、“生物由来の資源”を資源として発電を行う発電方式です。
もともと廃棄される予定であったバイオマスを利用すること、成長の過程においてCO2を吸収していることなどから、地球環境に優しい発電方式として注目されています。
バイオマスには大きく分けて下記3つに分類されており、さらに細かく分類されているところが特徴です。
- 廃棄物系バイオマス
- 未利用バイオマス
- 資源作物
その上で、これら分類が存在します。
| 廃棄物系バイオマス | 家畜排せつ物、食品廃棄物、廃棄紙など |
| 未利用バイオマス | 林地残材、麦わら、もみがらなど |
| 資源作物 | 糖質資源、でんぷん資源、油脂資源 |
また、「直接燃焼方式、熱分解ガス化方式、生物化学的ガス化方式」といった3つの発電方法が存在しており、それぞれ発電までの過程は違いはあるものの、「廃棄物を資源として利用する」といった部分では共通です。
日本におけるバイオマス産業の市場規模も年々増加すると見込まれているなど、今後も注目を集めていくことでしょう。
バイオマス発電のメリットと循環型社会の構築
バイオマス発電は、再生可能エネルギーのひとつとして知られています。
バイオマス発電にはデメリットもありますが、比較的メリットが多い発電方式です。
まず、バイオマス発電の大きなメリットが、地球温高対策でしょう。
例えば、バイオマスの中には光合成により成長する間伐材などがありますが、これら資源は成長の過程においてCO2を吸収しており、バイオマス発電で排出されたCO2が結果的に差し引きゼロとなります。
バイオマス発電は、「カーボンニュートラル」を実現する地球環境に優しい発電方式と言えるわけです。
このほかにもバイオマス発電にはさまざまなメリットが存在しますが、とくに注目されているのが地域資源の循環利用や社会構築への貢献が今注目されています。
一体、どういった内容なのか下記で解説していきましょう。
循環型社会への貢献
バイオマス発電は、廃棄物を資源に発電を行う発電方式です。
もともと捨てられてしまう予定だった廃棄物が資源となるため、地域の廃棄物自体の削減につながります。
不要である資源を再利用できるため、循環型社会の構築に繋がると考えられているのです。
また、家畜の排泄物をはじめ家庭から排出される生ゴミなどを利用した発電方式であることからも、それらを有効活用することで地域環境の改善にもつながります。
これら廃棄物の再利用による循環型社会への貢献はもちろんですが、廃棄物の処理コスト削減も期待できるところもバイオマス発電のメリットと考えられるでしょう。
地域経済活性化
バイオマス発電は、地域経済活性化にも貢献すると考えられています。
バイオマス発電と言うとカーボンニュートラルをはじめ、上記でお伝えした廃棄物の再利用による循環型社会への貢献がイメージされる傾向です。
しかし、バイオマス発電は地域経済活性化にも貢献することで注目されています。
バイオマス発電はバイオマスを資源として利用しますが、それら資源を収集、運搬、加工しなければなりません。
さらに、バイオマス発電を実現するためには発電所が必要です。
そのためバイオマス発電所を稼働させるための雇用が生まれるだけでなく、バイオマス資源の収集、運搬、加工といったプロセスにおける雇用も期待されます。
また、間伐材といったバイオマス燃料の需要が高まることにより森林管理のための間伐が促進されるほかに、農業副産物の利用などによって林業や農業分野の活性化が期待できることでしょう。
これらメリットのほかには、化石燃料への依存度を下げることができるため、化石燃料を購入する資金が地元の資源購入費として還流することで地域経済が活性化するといった見方もあります。
バイオマス発電は環境保全にもつながるだけでなく、地域経済活性化も両立させることができる発電方式と考えることができるのではないでしょうか。
地域経済活性化と環境保全を両立する事例
バイオマス発電は、地域経済活性化と環境保全を両立させることができる発電方式です。
バイオマス発電によって地域資源の循環利用、そして地域活性化を両立させている事例を紹介していきましょう。
岡山県真庭市
バイオマス発電の導入で地域経済活性化と環境保全を両立させている事例として、とくに知られているのが岡山県真庭市です。
岡山県真庭市では、「バイオマス産業都市」構想が推進されており、バイオマス発電所や堆肥化施設などが整備されています。
関連産業間の連携が強化されているだけでなく、バイオマス燃料となる家畜ふん尿を利用したバイオ液肥を農地還元するなど、さまざまな産業にメリットをもたらしているところが特徴です。
さらに、地域内の廃棄物をバイオマス資源として再利用していことからも、循環型社会の構築を実現していると言えるでしょう。
山形県最上町
地域経済活性化と環境保全の両立を実現させている地域として、山形県最上町があります。
山形県最上町は豊富な森林資源を有している町であり、間伐材をバイオマス燃料として利用しています。
間伐材をバイオマス資源として利用し、さらに発電させる場合は木材の伐採からチップ加工など一連のプロセスが必要です。
もちろん、発電所も必要になるため、これら関連プロセスや発電所の運営・管理維持で新たな地域雇用が創出することに成功しています。
エネルギー自体を山形県最上町という地域内で生産・消費することからも、資金流出の抑制につながっているところも特徴でしょう。
また、森林の適切な管理には間伐が必要であるため、それらが促進されることによる環境保全にも貢献しています。
そのほか、化石燃料のエネルギーが代替されることからCO2排出量の削減にも貢献しました。
バイオマス発電自体、日本国内における発電割合としてはまだ低いものの、これから先また増えていく可能性が高いと考えられています。
岡山県真庭市や山形県最上町をはじめ、バイオマス発電をきっかけとした地域経済活性化と環境保全の両立を実現する地域の増加が期待できるでしょう。
まとめ
バイオマス発電は、本来廃棄される資源を再利用し、新たなエネルギーを創出する注目の発電方式です。
カーボンニュートラルの実現をはじめ、環境保全、地域雇用の創出など、さまざまなメリットを地域にもたらす可能性が期待されています。
バイオマス発電が描く持続可能な未来社会の実現へ向けて、私たちも考えてみましょう。
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